これは4×4をベースにSUVライクなコスメティックを施した派生モデルで、日本市場には2021年に初導入された非常に人気の高いモデルです。今回の一台は2021年12月に国内登録され、走行距離わずか230kmというほぼ新車状態、左ハンドル6速MT仕様の1台です。

4×4とクロスの基本性能に特筆しておくような差異はありませんが、エクステリアのコスメティックの違いから、クロスのほうが全長は20mm、全高は15mm大きくなっています。タイヤサイズ、サスセッティング、最低地上高は従来の4×4と同じサイズです。また、外装パーツやルーフレールなどの違いにより、重量は20kg増えて1150kgとなっています。

パンダ クロスには独自装備としてドライブモードセレクターが配されており、モードはオートモードとオフロードモード、ヒルディセントモードと駆動環境を切り替えることが可能となっています。4WDシステム自体は4×4と同じ電子制御カップリングを用いたトルクオンデマンド型ですが、クロスのオフロードモードはカップリングの油圧を高めて後輪への駆動配分の応答レスポンスを早める仕組みです。

エンジンは875ccの「ツインエア」で、最高出力は85PS、最大トルクは145N・mと、これも他のパンダと同一のスペックですが、組み合わされるトランスミッションは6段MTです。875ccのツインエアとMTとの相性は非常によく、極低回転域では排気量を疑うほどの粘っこいトルクがにじみ出て、そこから中回転域に向けての力のノリも厚みが感じられ、扱っていて心地よい組み合わせです。路面をやんわりとつかむようなトラクションが欲しいという四駆の用途に、このエンジンはピタリと歩を合わせています。

エンジンをかけると、元気いっぱいといった感じで目を覚まし、ボロンボロンブビビビィーンと発電機のようなエンジンと共に、ふわふわとキャビンを心地よく揺すりながら淡々と速度を上げていってくれます。道の狭い都内でも扱いやすいサイズ感と、WLTC基準で18.6km/Lという低燃費性能を持ちつつも、6速MTと元気いっぱいのエンジンが組み合わさることで、非常に楽しくドライブすることが出来ます。

パンダクロスは間違いなく、あなたの日常に刺激と笑顔を運んでくれることでしょう。

※付属品・オプション
　ETC2.0
　シートヒーター
　Apple CarPlay
　12V DC
　ルーフレール