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2021.05.14
暑くなってきました・・・夏らしい一台をご紹介

1950年代から1960年代にかけて、イタリア生まれのフィアットに匹敵する多機能性を持つ自動車メーカーはほとんどありませんでした。500や600といった小さなモデルは、第二次世界大戦後の復興期にあって、経済性を重視する顧客に最適な自動車でした。スタイリッシュで普遍的な魅力を備え、ヨーロッパで最も人気のある自動車のひとつとなったのです。その魅力的な姿から、フィアットファクトリーやコーチビルダーによって数多くの特別なバリエーションが生み出され、世界中で愛されました。このフィアット600“ジョリー”もその一台です。

 

 

 

ジョリーは遊び心を重視したクルマです。フィアット社の会長であるジャンニ・アニェッリは、所有する82フィートのケッチ「アグネータ」に乗せて、地中海の各寄港地でローカルな移動をするため、簡単に降ろすことができる小型車を求めていました。こうして、籐のシート、切り取られたドア、フリンジ付きのサリートップを備えたオープン500が誕生。これがセレブリティの中で人気を博し、イタリアのコーチビルダー ギアが限定生産しました。世界で最もファッショナブルなリゾート地で活躍している車といえます。ジョリーのほとんどは500のシャシーをベースに製造されましたが、4気筒の600バージョンもありました。これは特にアメリカでかなりの希少価値があり、フィアット愛好家の間で猛烈な人気を誇っています。

 

 

 

アメリカのフィアットコレクターが購入し、レストアしたというこの600ジョリーはサーモンカラーが印象的。「サーフビーチ」をテーマに、マグネット付きのフラガール、ヴィンテージタイプのサーフデカールなどが備えられています。現在は、そのコレクターが所有していた同じカラーのムルティプラと共にどこかのビーチを走っていることでしょう。

 

 

見ているだけでも夏を感じさせられる一台。このような遊び心ある文化を絶やさずに車を楽しんでいきたいものですね。

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