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ガレーヂ伊太利屋では、培ってきた歴史を活かし、海外のスペシャルショップとも連携しております。本国の職人によるレストアや、特別な車両のご案内が可能です。
以前少しご紹介しました、アウトモビリ・アモスによるランチア・デルタのレストモッド”Futurista”が発表された時、世界中から注目を集める存在となりました。そしてまた今回、新たに登場したレストモッド”EVO37″が話題をさらっています。その名から想像できる通り、グループB用に製作されたマシン ランチア 037ラリーを現代に解釈したクルマとなっています。
このプロジェクトを手掛けたのは、イタリア人ラリードライバー ルカ・ベッティが率いるKimera Automobili。2008年にKimera motorsportとして創業し、数年はモータースポーツチームとして活動していました。しかし、2013年にランチアデルタS4や037を手掛けるレストレーションファクトリーとして一転し、現在のKimera Automobiliが誕生したのです。
数々のS4や037と接する中で様々な知的財産を取得。その中で「本質と魂をそのままにこの車を進化させたい」という想いを抱き、EVO37のプロジェクトが始動しました。EVO37は数少ない037をベースにしているものではなく、美的感覚はそのままに、現代的な要素を加えながらベータ・モンテカルロをベースにイチから製作されています。80年代のランチアはファイバーグラスでボディを構成していましたが、21世紀で展開されるKimeraではカーボンファイバーを採用。シャシーは、チューブ状のスチール製で、両端にサブフレームを溶接した特注のモノコックです。
また、EVO37は初代モデルと同様にミドエンジン車です。イタルテクニカ製の2.1リッターエンジンは、ランチアを長きにわたり支えてきたエンジニアであるクラウディオ・ロンバルディ氏の指導のもと、大幅に再設計されました。ターボとスーパーチャージャーを搭載したこのエンジンは、最高出力498bhp、最大トルク550Nmを発揮。トランスミッションは、6速マニュアルと、パドルで操作する電子機械式リンクで作動する6速シーケンシャルシフトの2種類が用意されています。ダブルウィッシュボーンシステムなどのメカニカルコンポーネントはオーリンズ社が設計し、ブレーキにはブレンボ社製のカーボンセラミックを採用。ホイールサイズはフロントが18インチ、リアが19インチとなっています。
このように、ロンバルディ氏をはじめとし、このプロジェクトにおいてランチアに携わってきたデザイナーやエンジニアとコラボレーションして製作されています。セルジオ・リモーネ氏は、シャシーのオーバーホールと車のセットアップをおこない、クラウディオ・ロンバルディ氏はエンジンのオーバーホール、ヴィットリオ・ロベルティ氏とフランコ・イノチェンティ氏らのエンジニアは、マシンの製造プロセスと素材を再検討しました。テストにはランチアで伝説を築いたドライバー ミキ・ビアシオンも加わっています。この伝説的なチームによってEVO37プロジェクトは完成されたのです。
ランチア037のラインは、80年代にグラスファイバーを使用したことでコンセプト的にはすでに革命的でしたが、EVO37ではカーボンファイバー製の新しいモダンなボディによって洗練されています。フロントとリアのオーバーハングをわずかに減らし、幅を広げることで、現代的なスタイルを維持しています。また、ランチア デルタを参考にして、ホイールの上にある側面に典型的なY字型の広がりを持たせました。EV037の外観は、ステージでの存在感と技術的な本質を維持しながら、根本的に現代へと生まれ変わったといえます。
また、カラーバリエーションも豊富に用意されています。これまでにあったランチアの限定車を参考にしたカスタマイズも可能です(ロッソ037ストラダーレ、マルティニカラーリング、ボルドーS4、ブルーラゴス、ヴェルデヨーク、ジャッロジネストラ、グリジオ 16 バルブ、パーリーホワイトなど)。EVO37の気になるコックピットはまだ写真が公開されていないものの、ランチア037ラリーと同じダッシュボードとセンタートンネルの構造を維持しながら、素材の洗練と細部へのこだわりが詰め込まれています。
中央のダッシュボードはフラットで滑らかなままですが、素材はカーボンファイバーに置き換えられ、エッジ部分はアルカンターラまたはレザーで覆われ、80年代と90年代のランチアのスポーティなモデルを彷彿とさせます。すべての計器類はアナログのままで、ランチアのレーシングカーを参考にデザインされています。シートはデルタS4の形状を踏襲しながら改良が加えられ、シートベルトは レーシングホモロゲーションに基づいた4つのアタッチメントポイントを備えます。